事業のパラダイムシフト、再配置(再定義)を行うこと

 

こんにちは。

パートナー型経営コンサルタントの浦田です。

 

新規で事業を始める場合や、既存の事業でもう一歩前進するために必要なもの。

それは「事業に対する」パラダイムシフトを起こすこと。

事業を再配置することであり、再定義することである。

 

あなたの仕事は何ですか?

「あなたの仕事は何ですか?」

という質問に対して、「言っている意味がわからない」と回答する人は多い。

なので、もう一段階の質問を投げかける。

 

「あなたは、何屋さんですか?」

 

だいたいこの質問で、回答できるはず。

しかし。残念ながら「なんでもやっているから、何と特定の業種はいえない」

という回答をする人もいるのも事実。

 

さて。

この質問の意図はどこにあるのか?

あなたが捉えている「あなた自身の仕事」に対する価値観の確認。

 

私の仕事は〇〇である

この質問をして返ってくるのは・・・

「美容師です」「税理士です」「彫師です」「会社役員です」「代表者です」

「歯科医です」「お菓子屋さんです」「レストランです」「時計屋です」

「カイロプラクターです」「セラピストです」「ヨガトレーナーです」

と、

今、やっている職種についての回答が基本。

 

この事業に対する意識が、直接的にやっていることを回答する人は

自分自身の事業に対する「考え方」が固まっていて思考停止に陥っていて

頑固親父のような存在といっても過言ではない。

 

事業に対する意識と概念を覆す必要性

既存の事業に対する固定概念。

それを「悪い」とは言わないが、非常にもったいない。

 

極端な話しにはなるが、時計屋さんが「時計屋さん」と認識している以上、

1年後、10年後、20年後と存続している限り「時計屋さん」として歴史を刻み

それ以上の発展はないし、それ以上の市場と売上を作ることはできない。

 

製造業であっても、グラフィックデザイナーであっても同じ。

色メガネ。フィルターを通してみる世界は、いつも色メガネの色とフィルターを通した

「概念」であるといえる。

 

ニューヨークの地下鉄の男の話し

 

ある日曜日の朝。

ニューヨークの地下鉄で体験した小さなパラダイム転換を

私は忘れることができない。

 

乗客はみな、静かに座っていた。

 

ある人は新聞を読み、ある人は思索にふけり

またある人は目を閉じて休んでいた。

すべては落ち着いて平和な雰囲気だった。

 

そこに、ひとりの男性が子供たちを連れて車両に乗り込んできた。

すぐに子供たちがうるさく騒ぎ出し

それまでの静かな雰囲気は一瞬にして壊されてしまった。

 

しかし

その男性は私の横に座って、目を閉じたまま

周りの状況に全く気が付かない様子だった。

 

子供たちといえば、大声を出したり、物を投げたり

人の新聞まで奪い取ったりするありさまで

なんとも騒々しく気に障るものだった。

 

ところが、隣に座っている男性は

それに対して何もしようとはしなかった。

 

私はいらだちを覚えずにはいられなかった。

子供たちにそういう行動をさせておきながら注意もせず

何の責任もとろうとはしない彼の態度が信じられなかった。

周りの人たちもいらいらしているように見えた。

 

私は耐えられなくなり、彼に向かって非常に控えめに

「あなたのお子さんたちが皆さんの迷惑になっているようですよ。

もう少しおとなしくさせることはできないのでしょうか?」

と言ってみた。

 

彼は目を開けると、まるで初めてその様子に気がついたかのような表情になり、

柔らかい、もの静かな声でこう返事した。

「ああ、ああ、本当にそうですね。どうにかしないと・・・。

たった今、病院から出てきたところなんです。

一時間ほどまえに妻が・・・

あの子たちの母親が亡くなったものですから

いったいどうすればいいのか・・・。

子供たちも混乱しているみたいで・・・」

 

その瞬間の私の気持ちが想像できるだろうか。

私のパラダイムは一瞬にして転換してしまった。

突然、その状況を全く違う目で見ることができた。

違って見えたから違って考え、違って感じ、そして違って行動した。

今までのいらいらした気持ちは一瞬にして消え去った。

自分のとっていた行動や態度を無理に抑える必要はなくなった。

 

私の心にその男性の痛みがいっぱいに広がり

同情や哀れみの感情が自然にあふれ出たのである。

「奥さんが亡くなったのですか。それは本当にお気の毒に。何か私にできることはないでしょうか」

一瞬にして、すべてが変わった。

引用:スティーブン・R・コヴィー「7つの習慣」

 

パラダイムとは何か?

パラダイムとは、理論、モデル、概念、ともいえる。

そのため、パラダイムには常に2つの側面を有している。

一つ目は、「そのもの」としての存在

二つ目は、「価値観というフィルター」を通した存在。

 

そうなると、同じ状況下にあっても、「価値観」が違うことで

世界は、見る人の数だけ変わってくる。ということである。

 

事業のパラダイムシフト、再配置、再定義とは・・・

ここまでくると勘のいい人は、言わんとすることを理解するが

わからない人の方が多いので、説明する。

 

事業のパラダイムシフトとは、「あなたの価値観を通した事業」を覆すこと。

いったん、価値観を壊して再構築すること。

 

当たり前と思っていたことを「当たり前じゃない」と考えて

事業を再配置すること。

そして、あなた自身の事業そのものを、定義しなおすこと。

 

これで、何が得られるか?

それは、サブウェイが、ダイエット業界に入り込んだときと

おなじインパクトを持つ。

 

では、今一度同じ質問をさせて頂く。

 

「あなたの仕事は何ですか?」

 

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